「セラミックは変色しません。」

歯科医院でよく説明される言葉です。

実際にセラミックは非常に安定した材料であり、長期間にわたって色調を維持することができます。

しかし長年診療をしていると、不思議な症例に出会うことがあります。

それは、

セラミックそのものは綺麗なのに、周囲だけが黒く見える症例です。

セラミック自体は白いままですが、周囲の境界部分に着色が認められます。

患者さんからは、

「セラミックが変色していますか?」

と質問されることがあります。

確かに見た目だけを見ると、セラミックが変色したように見えるかもしれません。

しかし本当にそうなのでしょうか。

実は、同じような生活習慣でも境界が目立ってくる方とそうでない方がいます。

コーヒーや紅茶、喫煙、清掃状態などが影響することはありますが、それだけでは説明できないケースも少なくありません。

では次の写真をご覧ください。

境界がほとんど認識できないセラミック。歯と補綴物が自然に調和しています。

同じセラミックでも印象は大きく異なります。

では、この違いはどこから生まれるのでしょうか。

実際に変色しているのは、

  • セラミックなのでしょうか?
  • 接着剤なのでしょうか?
  • それとも歯なのでしょうか?

私はこの現象を見るたびに、歯科治療は単に良い材料を使えば終わりではないと感じます。

材料だけでなく、

  • 接着
  • 設計
  • 噛み合わせ
  • 歯肉との関係

など、多くの要素が関係しているからです。

次回は、

「実際に変色しているのはどこなのか?」

についてお話ししたいと思います。

セラミックなのか。

接着剤なのか。

それとも歯なのか。

境界変色の正体から見ていきましょう。