1日完結?インプラント治療にかかる実際の時間と回数を徹底解説

東京都豊島区目白の歯医者・審美歯科、ワイズデンタルキュア東京です。

歯科医院の広告などで「インプラント治療が1日で完了する」といった言葉を目にして、治療期間の短さに魅力を感じている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、インプラント治療は、お口の中の状態や選択する治療法によって、かかる期間が大きく異なります。実際には、多くの場合、カウンセリングから最終的な人工歯の装着までには数ヶ月単位の時間が必要です。

この記事では、インプラント治療の現実的なスケジュールと、各プロセスで必要な通院回数について詳しく解説します。インプラント治療にかかる時間や、手術の痛み、見た目など、患者様が抱える不安を解消し、安心して治療に進むための具体的な情報を提供しますので、ぜひ最後までお読みください。

目次

はじめに:「インプラント治療は1日で終わる」は本当?

「インプラント治療は1日で終わる」という表現は、多くの場合、手術そのものが1日で完了することを指しています。インプラント体と呼ばれる人工歯根を顎の骨に埋め込む外科手術は、一般的に数時間で終わるため、この表現自体は誤りではありません。

しかし、インプラント治療全体のプロセスを考えると、これはあくまで治療の一部に過ぎません。実際には、精密検査から始まり、手術後の治癒期間、そして最終的な人工歯(被せ物)の製作と装着まで、いくつかの重要なステップを踏む必要があります。これらの工程を全て含めると、通常は数ヶ月から半年、場合によってはそれ以上の期間がかかるのが一般的です。

治療期間が長くなる主な理由として、インプラント体が顎の骨としっかりと結合する「オッセオインテグレーション」と呼ばれる期間が必要になることが挙げられます。これは、インプラントを長期間安定して使用するために不可欠な工程であり、個人の骨の状態や治癒能力によって必要な期間は異なります。そのため、「1日で終わる」という言葉は、治療全体ではなく、特定の段階を指していると理解することが大切です。

なぜ?インプラント治療に数ヶ月の期間が必要な理由

インプラント治療に数ヶ月単位の期間が必要となる最も重要な理由は、「オッセオインテグレーション」と呼ばれるインプラント体と顎の骨の結合プロセスにあります。オッセオインテグレーションとは、埋め込まれたチタン製のインプラント体が、ご自身の顎の骨と直接結合して一体化することを指します。この結合がしっかりと行われることで、インプラントは天然の歯の根のように安定し、その上に人工歯を装着して食事をしたり、会話をしたりする際の土台となります。

この骨とインプラントの結合には、通常3ヶ月から6ヶ月程度の治癒期間が必要です。この期間は、例えるなら家を建てる際の「基礎工事」のようなものです。頑丈な家を建てるためには、まず強固な基礎を時間をかけてしっかりと固める必要があります。インプラントも同様で、この結合期間を焦って短縮してしまうと、インプラントが不安定になったり、最悪の場合、脱落してしまうリスクが高まります。人間の骨には自然治癒力があり、インプラントを異物として排除するのではなく、時間をかけて自身の組織として受け入れていくプロセスを見守ることが不可欠なのです。

この結合期間は、患者様の骨の状態(密度や量)、喫煙の有無、全身疾患の有無などによって個人差があります。特に、顎の骨の量が不足している場合には、事前に骨を増やす手術(骨造成)が必要となり、その分さらに治癒期間が延びることもあります。インプラント治療の成功と長期的な安定のためには、このオッセオインテグレーションがしっかりと完了するまで、歯科医師の指示に従い、じっくりと待つことが何よりも大切です。

【ステップ別】一般的なインプラント治療の流れと期間・回数の目安

ここからは、インプラント治療の標準的な流れをステップごとに詳しく見ていきましょう。多くの症例で採用されている「2回法」をモデルケースとして、カウンセリングから最終的な人工歯の装着、そして治療完了までの各段階で、どれくらいの期間と通院回数が必要になるのかを具体的にご紹介します。

ステップ1:カウンセリング・精密検査(期間:約1日、回数:1回)

インプラント治療を始めるにあたり、最初に行うのがカウンセリングと精密検査です。この段階は、安全で成功率の高い治療計画を立てる上で非常に重要になります。具体的な検査内容としては、まずレントゲン撮影やCT撮影を行い、顎の骨の量や質、神経や血管の位置を立体的に詳しく分析します。また、口腔内の状態を正確に把握するために、虫歯や歯周病の有無、噛み合わせの状態などを細かくチェックします。

これらの精密な検査結果に基づき、歯科医師は患者さま一人ひとりに合った治療計画を立案します。この際、インプラント治療の全体像、予想される治療期間、具体的な治療費用、そして治療に伴うリスクや注意点などが詳細に説明されます。患者さまが安心して治療に進めるよう、疑問や不安を解消する大切な機会となりますので、気になることは積極的に質問するようにしましょう。

このカウンセリングと精密検査の段階は、通常1日で完了し、通院回数も1回が目安となります。しかし、必要な検査内容によっては複数回の通院が必要になる場合もあります。

ステップ2:インプラント埋入手術(1次手術)(期間:約1日、回数:1回)

精密検査と治療計画が確定すると、いよいよインプラント体を顎の骨に埋め込む1次手術が行われます。この手術は局所麻酔下で行われるため、痛みを感じることはほとんどありません。まず歯肉を切開し、顎の骨にインプラント体を埋め込むための正確な穴を開けます。その後、チタン製のインプラント体を慎重に埋入し、最後に歯肉を縫合してインプラント体を保護します。

手術時間は、埋め込むインプラント体の本数や症例の複雑さによって異なりますが、一般的には1本あたり30分から1時間程度が目安です。手術中の痛みは麻酔でコントロールされますが、ドリルの音や振動が苦手な方、強い不安や恐怖心がある方には、「静脈内鎮静法」という選択肢もあります。これは、点滴で鎮静薬を投与することで、うたた寝をしているようなリラックスした状態で手術を受けられる方法です。

この1次手術は、通常1日で完了し、通院回数も1回が目安となります。手術後は、処方される鎮痛剤を服用したり、患部を冷やしたりすることで、術後の痛みや腫れを抑えることができます。

ステップ3:治癒期間(インプラントと骨の結合を待つ期間:3~6ヶ月)

1次手術でインプラント体を顎の骨に埋め込んだ後、次のステップである2次手術までには「治癒期間」を設けます。この期間は、インプラント治療の成功に不可欠な「オッセオインテグレーション(骨結合)」が起こるのを待つための大切な期間です。

オッセオインテグレーションとは、チタン製のインプラント体と顎の骨が生物学的にしっかりと結合することを指します。この結合が安定することで、インプラントが人工歯を支える強固な土台となるのです。この骨結合には、個人差はありますが、一般的に3ヶ月から6ヶ月ほどの期間が必要とされます。この期間を焦って短縮してしまうと、インプラントが顎の骨に十分に結合せず、治療が失敗するリスクが高まってしまいます。

治癒期間中は、インプラントを埋め込んだ部分に過度な負担をかけないよう、硬い食べ物を避ける、喫煙を控えるといった日常生活での注意が必要です。また、定期的な経過観察のために歯科医院への通院が必要になる場合もあります。この期間は、インプラントが骨と一体となるための大切な準備期間ですので、歯科医師の指示に従い、じっくりと骨結合が進むのを待ちましょう。

ステップ4:アバットメントの連結(2次手術)(期間:約1日、回数:1回)

インプラント体と顎の骨がしっかりと結合し、治癒期間が終了すると、次に「アバットメント」と呼ばれる土台部分を連結するための2次手術が行われます。この手術は、1次手術で歯肉の下に埋め込まれていたインプラント体の頭部を露出させるために、歯肉をわずかに切開する処置です。

歯肉が治癒した後、インプラント体に人工歯を装着するためのアバットメントを連結します。この2次手術は、1次手術に比べて切開範囲も小さく、身体的な負担が少ない小規模な手術です。そのため、患者さまの心理的なハードルも比較的低いと言えるでしょう。この処置も通常1日で完了し、通院回数も1回が目安となります。

ステップ5:上部構造(人工歯)の型取りと製作(期間:1~2週間、回数:1~2回)

アバットメントの連結が終わり、歯肉が十分に治癒したら、いよいよインプラントの上に装着する「上部構造(人工歯)」の製作に入ります。まず、アバットメントの形に合わせて精密な型取りを行います。この型取りは、患者さまの噛み合わせや、周囲の天然歯とのバランスを考慮して行われるため、非常に重要な工程です。

採取した型をもとに、歯科技工士が一人ひとりの口腔内にぴったり合うように人工歯を製作します。この際、見た目の美しさも考慮し、周囲の歯と調和する色や形に仕上げられます。素材もセラミックやジルコニアなど、患者さまの希望や予算に応じて選択肢があります。

型取りから人工歯の完成までには、一般的に1〜2週間程度の期間が必要となります。この間、1〜2回の通院で仮歯の装着や噛み合わせの調整などが行われることがあります。

ステップ6:上部構造の装着・メンテナンス(治療完了)

すべての準備が整い、完成した上部構造(人工歯)をアバットメントに装着すれば、インプラント治療は完了です。装着時には、歯科医師が人工歯の噛み合わせの高さやフィット感、そして隣接する歯との隙間などを細かく調整し、最適な状態に仕上げていきます。これにより、見た目の美しさだけでなく、噛む機能もしっかりと回復します。

インプラント治療が完了した後は、天然の歯と同じように、あるいはそれ以上に丁寧なケアが必要です。インプラントを長持ちさせるためには、毎日の丁寧なブラッシングやフロスなどを用いたセルフケアはもちろんのこと、歯科医院での定期的なメンテナンスが不可欠です。定期検診では、インプラント周囲の清掃や噛み合わせのチェック、X線写真による骨の状態の確認などが行われ、問題の早期発見・早期対応につながります。適切なメンテナンスを続けることで、インプラントは長期にわたって快適に機能し続けることができるでしょう。

手術は1回?2回?インプラントの「1回法」と「2回法」

インプラント治療における外科手術には、大きく分けて「1回法」と「2回法」という2つの術式があります。これまでのセクションでは、主に2回法をモデルケースとして治療の流れをご説明してきましたが、ここからはそれぞれの術式がどのようなものか、その違いやメリット・デメリットについて詳しくご紹介します。

ご自身の顎の骨の状態やライフスタイル、治療に対する希望などを考慮し、どちらの術式がご自身に適しているのかを考えるきっかけにしてみてください。

1回法:手術が1回で済む治療法

1回法は、インプラント体を顎の骨に埋め込む手術を1回のみで済ませる治療法です。

具体的には、1次手術でインプラント体を骨に埋め込むと同時に、アバットメント(インプラントと人工歯をつなぐ部品)の一部または全部を連結し、その先端部分を歯肉の外に露出した状態にします。そのため、2次手術を行うことなく、露出したアバットメントに直接人工歯を装着することができます。

手術回数を減らしたい方や、治療期間をできるだけ短くしたいと希望する方に適応が検討される術式です。

1回法のメリット:身体的負担の軽減と期間短縮

1回法の最大のメリットは、外科手術が1回で済むことです。これにより、患者さんの身体的な負担はもちろん、精神的な負担も大きく軽減されます。

また、2次手術が不要となるため、そのための治癒期間も必要なくなり、全体の治療期間を2回法に比べて短縮できる可能性があります。忙しい方や、早く治療を終えたいと考える方にとって、魅力的な選択肢といえるでしょう。

1回法のデメリット:感染リスクと適用条件

一方で、1回法にはデメリットも存在します。インプラントの一部が口の中に露出した状態で治癒期間を過ごすため、インプラントを完全に歯肉で覆って保護する2回法に比べて、細菌感染のリスクがやや高まる可能性があります。

また、1回法はすべての症例に適用できるわけではありません。顎の骨の量や質が十分にあり、健康状態が良いこと、さらに患者さんの口腔衛生状態が良好であることなど、厳しい適用条件があります。そのため、適応となるケースは限定的であることを理解しておく必要があります。

2回法:多くの症例で採用される標準的な治療法

2回法は、インプラント治療において最も広く採用されている標準的な術式です。これまでの治療ステップで詳しくご説明したように、外科手術を2段階に分けて行います。

まず1次手術でインプラント体を顎の骨に埋め込み、完全に歯肉で覆い、インプラントと骨がしっかりと結合するまで治癒期間を設けます。その後、2次手術で再び歯肉を切開し、インプラントの頭部を露出させてアバットメントを連結します。この方法は、多くの歯科医院で一般的な術式として推奨されています。

2回法のメリット:感染リスクが低く安全性が高い

2回法の最大のメリットは、細菌感染のリスクを非常に低く抑えられる点にあります。

インプラント体を歯肉の下に完全に埋め込むことで、口腔内の細菌から隔離された状態で骨との結合(オッセオインテグレーション)を促すため、感染によるトラブルのリスクが大幅に減少します。これにより、インプラントが骨と結合する可能性が高まり、治療の成功率が向上します。

また、骨の量が不足している場合に骨造成などの追加処置が必要なケースでも、安全かつ確実に治療を進めることができるため、幅広い症例に対応できるのも大きな利点です。

2回法のデメリット:治療期間が長く、手術が2回必要

2回法のデメリットは、外科手術を2回行う必要があることです。これにより、患者さんの身体的な負担が1回法に比べて増える可能性があります。

また、1次手術後にインプラントと骨が結合するまでの治癒期間と、2次手術後の歯肉の治癒期間の両方が必要となるため、全体の治療期間が長くなる傾向にあります。これに伴い、歯科医院への通院回数も多くなることが予想されます。

結局どっちがいいの?自分に合った治療法の選び方

1回法と2回法のどちらが良いかは、患者さんの口腔内の状態、全身の健康状態、治療に対する希望によって異なります。

治療期間の短縮や身体的負担の軽減を最優先したい場合は1回法が魅力的に映るかもしれませんが、感染リスクをできるだけ避け、より確実な治療を求めるのであれば2回法が基本的な選択肢となるでしょう。しかし、最終的な治療法の選択は、患者さんの希望だけで決まるものではありません。

顎の骨の質や量、歯周病の有無、喫煙習慣など、多くの要因を総合的に考慮し、歯科医師が専門的な判断を下すことが最も重要です。ご自身の状態に適した治療法について、歯科医師とじっくり相談し、メリットとデメリットを十分に理解した上で決定するようにしてください。

インプラント治療の期間がさらに長くなるケース

ここまでインプラント治療の一般的な流れと期間についてご紹介しましたが、患者様の口内の状態によっては、通常の治療期間よりもさらに時間が必要となる場合があります。特に、インプラントを安全かつ確実に埋め込むための土台となる顎の骨や歯ぐきの状態が十分でない場合、「前処置」と呼ばれる準備のための手術が必要になることがあります。これらの前処置は、インプラント治療の成功率を高め、長期的な安定性を確保するために非常に重要です。

次からは、どのような場合に治療期間が長くなるのか、具体的な前処置の内容とそれに伴う追加期間について詳しくご説明します。

顎の骨の量が足りない場合:骨造成手術

インプラントは顎の骨に直接埋め込むため、インプラント体をしっかりと支えるだけの十分な骨の量と厚みが必要です。しかし、重度の歯周病で骨が溶けてしまったり、抜歯後に時間が経過して骨が痩せてしまったりすると、インプラントを埋め込むのに必要な骨量が足りなくなることがあります。このような場合に必要となるのが「骨造成手術」です。

骨造成手術とは、患者様自身の骨や人工骨などを移植して顎の骨の量を増やす外科処置です。具体的には、上顎の骨の厚みが足りない場合に行われる「サイナスリフト」や「ソケットリフト」といった術式があります。サイナスリフトは上顎洞(鼻の横にある空洞)の底部を押し上げてそのスペースに骨を増やす方法、ソケットリフトは抜歯窩から上顎洞の底部を持ち上げて骨を増やす方法です。

これらの骨造成手術を行うと、移植した骨が周囲の骨と結合し、安定するまでに3〜6ヶ月程度の治癒期間が追加で必要となります。この期間をしっかり設けることで、インプラントが安定して骨と結合する土台を築き、治療の成功率を高めることができます。骨造成はインプラント治療を諦めていた方にとって、希望をもたらす重要な治療法です。

歯ぐきの状態が良くない場合:歯肉移植手術

インプラントを長持ちさせるためには、顎の骨だけでなく、インプラント周囲の歯ぐきの状態も非常に重要です。歯ぐきの量が不足している場合や、インプラントを埋入する部位の歯ぐきが薄いと、インプラント周囲炎のリスクが高まったり、審美的な問題が生じたりすることがあります。

このような場合に行われるのが「歯肉移植手術(遊離歯肉移植術)」です。これは、患者様ご自身の口蓋(上あご)などから健康な歯肉を採取し、インプラント周囲の歯ぐきが不足している部分に移植する手術です。硬くて丈夫な歯肉を移植することで、インプラント周囲の歯ぐきが強化され、清掃性が向上し、長期的なインプラントの安定につながります。

歯肉移植手術を行った場合、移植した歯肉が周囲の組織と結合し、安定するまでに約3ヶ月の治癒期間が追加で必要になります。この期間は、移植した歯肉がしっかりと生着し、健康な状態になるために不可欠です。見た目の改善だけでなく、インプラントを長期間使い続けるための重要な処置と言えます。

インプラント治療の期間を短縮できる「抜歯即時インプラント」とは?

インプラント治療は通常、抜歯後に顎の骨が回復するのを待ってからインプラント体を埋め込みます。しかし、「抜歯即時インプラント」という術式では、歯を抜いたその日のうちにインプラント体を顎の骨に埋め込むことが可能です。これにより、抜歯後の治癒期間を待つ必要がなくなるため、従来の治療法に比べて全体の治療期間を大幅に短縮できるという大きなメリットがあります。

この抜歯即時インプラントは、抜歯とインプラント埋入の外科処置を1回で済ませるため、患者さんの身体的負担の軽減にもつながります。さらに、歯がなくなった直後にインプラントを埋め込むことで、顎の骨の吸収を抑える効果も期待できます。ただし、この方法はどんな症例にも適用できるわけではありません。

抜歯する歯の周囲に炎症や感染がないこと、インプラントをしっかりと固定できる十分な骨量があることなど、厳密な適用条件があります。そのため、この術式は歯科医師の高度な技術と経験、そして事前の精密な診断が不可欠です。また、抜歯即時インプラントと関連して、「即時荷重」という、インプラント埋入後すぐに仮歯を装着する方法もあります。これは、手術当日から見た目の回復ができるため、患者さんの生活の質を保つ上で非常に有効な選択肢となります。しかし、即時荷重もまた、症例が限定されるため、まずは歯科医師との十分な相談が必要です。

インプラント治療の期間や回数に関するQ&A

インプラント治療を検討されている方々からよくいただく期間や回数に関するご質問にお答えします。手術の痛みや治療中の見た目、日常生活への影響といった具体的な不安を解消できるよう、それぞれの疑問について詳しく解説していきます。

治療を始める前にこれらの疑問を解決しておくことで、安心して治療に臨めるようになります。どうぞ参考にしてください。

Q. 手術の痛みや腫れが心配です

インプラント手術中の痛みについては、局所麻酔をしっかりと施しますので、痛みを感じることはほとんどありません。治療中は、歯科医師が常に患者さんの状態を確認しながら麻酔を追加することも可能ですので、ご安心ください。

手術後の痛みや腫れに関しては、個人差がありますが、処方される鎮痛剤を服用することで十分にコントロールできます。また、患部を冷やすことで腫れを抑えることも有効です。多くの場合、数日で痛みや腫れは落ち着いてきます。

もし、歯科治療全般に対して強い不安や恐怖心がある場合は、「静脈内鎮静法」という麻酔方法を選択することも可能です。これは、点滴で鎮静薬を注入することで、うたた寝をしているようなリラックスした状態で手術を受けられる方法です。意識はありますが、痛みや手術への不安をほとんど感じることなく治療を終えることができるため、精神的な負担を大きく軽減できます。全身麻酔に比べて体への負担も少なく、安全性が高いとされていますので、ご希望の場合は歯科医師にご相談ください。

Q. 治療期間中、歯がないまま過ごすのですか?

インプラント治療中は、歯がない状態で過ごすことになると心配される方もいらっしゃいますが、基本的に見た目を損なうことはありませんのでご安心ください。

治療期間中は、仮歯や仮の入れ歯、あるいはブリッジなどで対応します。これにより、インプラント体が骨と結合するまでの間も、食事や会話といった日常生活に支障をきたすことなく過ごせます。どのような仮の歯を使用するかは、抜歯する歯の位置や本数、患者さんのご要望などを考慮し、歯科医師が最適な方法を提案します。

とくに前歯など目立つ部分の治療では、審美性を重視した仮歯を製作しますので、治療中であることが周囲に気づかれることはほとんどありません。インプラント治療は長期間にわたることもありますが、その間も普段通りの生活を送れるように配慮されています。

Q. 喫煙は治療に影響しますか?

喫煙はインプラント治療にとって非常に大きな悪影響を及ぼすことがわかっています。治療の成功率を低下させるだけでなく、インプラントの寿命を縮めるリスクもあるため、歯科医師からは治療前後の禁煙を強く推奨されます。

喫煙によって、血管が収縮し血流が悪くなります。これにより、手術でできた傷の治りが遅れたり、骨とインプラントが結合する「オッセオインテグレーション」という重要なプロセスが阻害されたりします。また、喫煙は免疫機能を低下させるため、細菌感染のリスクを高め、インプラント周囲炎といった深刻な合併症を引き起こす可能性もあります。

インプラント治療を成功させ、長期にわたって快適に使用するためには、手術の前後数週間はもちろんのこと、可能な限り禁煙を続けることが非常に重要です。もし喫煙習慣がある場合は、必ず歯科医師に伝え、治療計画について十分に相談してください。

まとめ:最適な治療期間と回数は人それぞれ。まずは専門医に相談しよう

ここまでインプラント治療の期間や回数について詳しく解説してきましたが、最適な治療期間や回数は、患者さんお一人おひとりの顎の骨の状態、選択する術式(1回法または2回法)、骨造成などの追加手術の有無といった、さまざまな要因によって大きく異なります。

インプラント治療は、まさに「オーダーメイド」の治療といえるでしょう。インターネットの情報だけで自己判断するのではなく、まずは信頼できる歯科医師に相談し、精密な検査を受けた上で、ご自身の口腔内の状態に最適な治療計画を立ててもらうことが、成功への最も重要な第一歩になります。

信頼できる歯科医院でインプラント相談を

この記事を通じてインプラント治療への理解が深まった方は、ぜひ次のステップとして、信頼できる歯科医院での相談をご検討ください。インプラント治療の成功には、患者さんへの十分な説明、精密な検査、そして豊富な経験を持つ歯科医師と医院選びが不可欠です。

歯科医院を選ぶ際には、CT設備が整っているか、複数の治療選択肢を提案してくれるか、メリットだけでなくデメリットもしっかりと説明してくれるか、といった点を基準にすると良いでしょう。疑問や不安を解消するためにも、専門医に相談し、ご自身の状態に合った最善の治療法を見つけてください。

 

少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。

 

東京都の矯正治療・セラミック治療専門審美歯科
ワイズデンタルキュア東京
住所:東京都豊島区目白3丁目4−11 Nckビル 3階
TEL:03-3953-8766
Instagram: ys.dentalcure